魅力的なキャラクター設定と注意点

キャラクター設定と注意点

魅力的なキャラクター設定を

童話のキャラクター(登場人物)は、アニメと異なり、主人公が特殊な才能や能力を持っているケースが意外と少ないようです。その分、人間以外の動物や植物、昆虫、家具などを擬人化することによって、その性格を強調することがあります。

例えば、ライオンやオオカミを使えば、勇敢で強いキャラクターができるし、キツネやイヌを使えば、賢いキャラクターができます。真面目で働き者のキャラクターを強調したければ、アリやミツバチを登場させるといった具合です。

しかし、本当に優れた作品を目指すのであれば、そうした通俗的な特徴とは別に、主人公や脇役に魅力的な性格を与える必用があります。これに成功すると、登場人物だけでなく、物語全体が生き生きと輝き始めます。

一方、ファンタジー童話では、魔法を使って平凡な主人公に特殊な能力を授けたり、おとぎの国へ導くことで、ありきたりな主人公を特別な存在にしたりと、様々な工夫が凝らされています。

また、最初は平凡であっても、様々な苦難や困難を乗り越えることによって、賢くて勇敢な主人公へと成長するストーリーであれば、「自分も頑張ればこんな風になれる」という希望を、子供たちに抱かせることができます。

いずれにしても、魅力的な主人公というのは、子供たちにとっての理想です。そうした魅力的なキャラクター設定をすることによって、子供たちの心に夢や希望を溢れさせることができるのです。

長所と短所を最大限に活かそう

魅力的な主人公を考えるにあたって、余りにも完璧な性格や能力をもったキャラクターを作ってしまうと、別の問題が生じることがあります。それは、現実の子供たちとかけ離れてしまって、子供たちが主人公に共感できなくなってしまうことです。

実は、登場人物の短所や欠点というものは、子供たちの共感を得るためには欠かせない要素なのです。こうした部分が、子供たちと等身大のキャラクターを登場させる童話が多い理由なのかもしれません。

もちろん、短所や欠点だけでは魅力的なキャラクターにはなりません。短所や欠点が共感を引き起こすならば、逆に長所や美点が子供たちに憧れの気持ちを抱かせるのです。

こうした、長所と短所、欠点と美点をバランスよく組み合わせることが、キャラクター設定の要諦とも言えるでしょう。こうしたキャラクター設定は、実際に作品を書く前のプロット段階で、しっかりと練り込んでおくことが大切です。

キャラクター設定が十分にできていると、ストーリーもそのキャラクターに引っ張られるように成長していきます。そうなれば、次々とアイデアが湧き上がり、書くのが楽しくて仕方がないという状態になるでしょう。