童話&児童文学作品の種類(ジャンル)

童話の種類(ジャンル)

様々な童話のジャンルから選ぶ

当然のことながら、童話や児童文学と呼ばれるものの中には、様々なジャンルが混在しています。日常の生活を題材にとった生活童話から、幻想的なファンタジー童話、科学的思考が入ったSF童話やミステリー童話、さらには、事実を元に描いた冒険童話や歴史童話といったノンフィクション童話などもあります。

何れにしても、童話である以上、子供たちの目線で書かれた作品だという共通点があります。童話ジャンルの選択にあたっては、子供たちが好きで、彼らの気持ちが理解できるいう前提の下で、さらに自分の強みを活かせるジャンルを選びましょう。

例えば、日頃、子育てをしている女性であれば、自分の子供の振る舞いや考え方をもとに生活童話を書くことができます。ただし、ここでは注意点があります。それは、客観的に自分の子供を眺める、ということです。

よく陥りがちなのが、わが子可愛さのあまり、独り善がりな作品になってしまうことです。他人が読むと白けてしまうような内容を、平気で書いてしまいがちなのです。自分にとっては可愛くて仕方がない振る舞いであっても、他人から見ると、よくあることじゃないの、といった具合です。

また、ファンタジー小説に憧れる方も多いでしょう。ここでは、擬人化といった手法がよく使われます。例えば、映画化もされて話題となった「ナルニア国物語」などを見れば、その雰囲気がよくわかります。

「ナルニア国物語」の原作は、イギリスの作家C.S.ルイスが書いたもので、1950年代に刊行された古い児童文学です。ナルニアという架空の世界と現実世界を行き来しながら、子供たちが偉大な使命を帯びて冒険を繰り広げるという、現在でも通用する内容となっています。

一方、SFやミステリーといったジャンルの童話を書くには、論理的思考や科学的発想が要求されますので、どちらかといえば、男性作家の方が向いているかもしれません。書いている本人が、こうしたジャンルにワクワクするものを感じなければ、子供たちにもその感動が伝わらないからです。

このように、童話にも様々なジャンルがありますので、「自分の強みは一体何だろうか?」と自問自答しながら選んでみると良いでしょう。もし、よく分からないというのであれば、いろいろなジャンルに挑戦しながら、「これだ」と思えるジャンルを探って見ましょう。

大人にも通用する童話

最近は、大人の間でも童話や絵本のファンが多くなってきたようです。童話や絵本に描かれた美しい挿絵(さしえ)を眺めながら、心地よく読めるところが魅力なのかもしれません。

また、大人向けの小説では、文学的表現の良し悪しはともかく、あまりにも道徳的に倒錯した内容が増えてきたのも事実です。そうした悲壮な大人向け小説が多い中、純粋さや素直さに満ちた童話に、安らぎや癒しを求めているのかもしれません。

童話作家としても、こうした読者層のことを考えると、子供だけでなく、大人にも通用する作品を手掛けるという選択肢が出てきます。ただ、大人にも通用する作品だからといって、子供向け以上に力を入れて書きましょう、というわけではありません。むしろ、子供向けに絞った作品を書くほうが難しいのかもしれません。

童話というのは、大人が読んでもハッとするような内容を、子供に分かる言葉や表現を使って、子供の視点で書くという、より高度な能力が必要だといえるからです。いずれにしても、童話作家という仕事は、人間としての純粋さが問われる厳しい職業であると同時に、夢に溢れた非常にやりがいのある職業でもあります。