プロ作家になるための心掛け

プロ作家への心掛け

寡作(かさく)と多作

これは童話作家に限ったことではありませんが、プロの作家を目指すのであれば、当然ながら数多くの作品を書き続ける覚悟が求められます。つまり、多作を前提にした執筆活動です。

一方、これと対極にあるのが、寡作でよしとする考え方です。寡作というのは、寡(すくない)という漢字が使われている通り、滅多にしか作品を書かないことです。趣味で書いたり、気が向いたときにだけ書くといった感じです。

あるいは、寡作には、完全主義的な性格が起因していることも考えられます。一つの作品を完全なものにしようと推敲に推敲を重ね、それだけで疲れ果ててしまって、他の作品を書くエネルギーが出てこないのかも知れません。

確かに、意味のない駄作ばかり数多く作っても仕方がないのですが、作品を数多く書くことによってしか見えてこない世界もあるのです。また、筆力というのは、多作を通して磨かれるというのが一般的です。

著名な作家は、大抵、凄まじいばかりの数の作品を残しています。彼らは、内から溢れてくる物語を書き留めるのに必死だったのかもしれません。実際、作品を書けば書くほど、次はこんな作品が書きたい、あんな作品が書きたいと、いろいろなアイデアが湧き上がってきますので、多作作家を目指すほうが成功する可能性が高いといえるでしょう。

継続は力なり

こうした多作も、書くことが習慣化されてしまうと決して苦痛とはなりません。むしろ、書かないではいられない、という状態にまでなってしまいます。「毎日、最低でも原稿用紙○枚は書こう」などと、具体的な目標を立てることです。

また、公募やコンクールへの投稿を目標に掲げて、執筆活動に励むという方法もあります。カレンダーに様々なコンクールの締切日を書き込んでおき、締切日を守るためにひたすら書くのです。まるで、売れっ子作家が締切日に追われているようです。

自分では、素晴らしい出来栄えだと思った作品が意外と評価されなかったり、一方で、こんな作品が入賞してしまった、という意外な結果が出てくるかもしれません。小さな成功や失敗に一喜一憂するのではなく、淡々と物語を紡いでいきましょう。

ひとりでも多くの子供たちが自分の作品を読むことで、元気になったり、勇気をもらったりしてくれたら、これに勝る喜びはありません。そうした日々を迎えるためにも、今日よりも明日、明日よりも明後日と、確実に前進している自分をイメージしつつ頑張って参りましょう。